
飲食店やスーパー、公共施設など、厨房が設置されるさまざまな施設で使用されるグリストラップ。その清掃や維持管理には手間がかかるものの、油脂分の流出を防ぐためには欠かせない存在です。
そんなグリストラップの日常管理に役立つツールとして近年流行っているのが「油吸着シート」です。
今回はその基本的な仕組みやタイプ別の特徴、実際の現場での使われ方、そして注意点まで詳しくご紹介します。
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グリストラップ用清掃用品、油吸着シートとは?
そもそも油吸着シートって何?
油吸着シートは、グリストラップの第1槽に浮いている油脂(浮上油)を吸収する資材です。ポリプロピレンなど親油性・疎水性の素材で作られており、基本的には油を吸収しやすく、水を吸いにくい性質を持っています。
サイズや形状もさまざまで、シート状のものから木屑タイプなど、さまざまなタイプがあります。現場のグリストラップの大きさや汚れ具合に応じて選べる点も人気です。
グリストラップ清掃を助ける便利グッズ
厨房では日常的に廃油が排水に混じってしまうため、日々の管理は欠かせません。そこでこの油吸着シートを定期的に浮かべておくだけで、浮上油をある程度除去でき、臭気対策にもなるとあって、飲食店やスーパーの現場では導入する店舗が増えています。
「柄杓で油をすくうより、浮かべるだけでOK」という手軽さは、店舗スタッフにとっても大きなメリットです。

タイプ別吸着ツールの特徴
一般的なタイプはシートタイプの吸着シートです。
グリストラップに浮かべるだけで油を吸収し、使い終わったらそのまま回収して処分できます。作業の手間が少なく、導入ハードルが低いのが魅力です。
木屑のようなリサイクル素材を使った吸着シートも近年注目されています。紙の再生材や木材由来の素材を使用し、「環境配慮型」をアピールしています。
他にも、チューブ型タイプなどもあります。種類にもよりますが、見た目以上の油吸収効率が期待できるものもあります。
用途や設置環境によって使い分けることで、効率的なグリストラップの日常管理が可能になります。
吸着シートのメリット
手軽に使えて作業時間を短縮
何も使わずに柄杓などで油をすくうより、シートを浮かべて油を吸着させたほうが作業が簡単という点が、多くの現場で支持されている理由です。近年は人員不足問題を抱えているケースも多いため、一つひとつの作業の小さな省略化の積み重ねが現場の助けになります。
臭気を抑えられる
油は放置すると酸化し、臭いを放ちます。吸着シートを定期的に交換することで、臭気の原因となる油を取り除き、厨房の衛生環境を改善することができます。
排水トラブルの予防につながる
油がそのまま排水に流れ込むと、排水管の詰まりや処理施設への負荷増加を招きます。吸着シートを使用することで事前に油分をキャッチし、排水トラブルのリスクを低減することができます。
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サポート
使用上の注意点
廃棄時の「水切り」が非常に重要!
吸着シートは油だけでなく、ある程度の水分も吸ってしまうことがあります。現場では使い終わったシートをそのままゴミ袋に捨てるケースが見られますが、この処理方法は推奨できません。
水分を多く含んだ状態のままゴミに出すと、回収業者が一般廃棄物として受け取ってくれないこともあります。
その結果、店舗は高額な費用を払って産廃業者に処理を依頼せざるを得なくなるという事態になりかねません。店舗でシートを使用する場合は、使用後にしっかりと水を切ってから処分することを徹底しましょう。
シートの吸収量には限界がある
シートにも吸収できる量には限りがあるため、放置しすぎると機能しなくなり、逆に油が残ったままになってしまいます。
定期的に状態を確認し、適切なタイミングで交換することが必要です。
シート清掃=完全な清掃ではない
吸着シートで除去できるのは、あくまで浮上油の表面部分だけです。
グリストラップの底にたまった沈殿物やスラッジ(汚泥)は別途清掃が必要ですので、シートだけで全てをカバーできると思わないよう注意が必要です。
プロによる定期清掃もお忘れなく
吸着シートは便利なアイテムですが、あくまで日常清掃の補助的な役割です。
グリストラップの底には時間とともに油の塊や汚泥が蓄積し、それが悪臭や詰まりの原因になります。
プロの清掃業者による定期的なメンテナンスと、日常の吸着シートによる管理を併用することで、厨房環境をより清潔に保つことができます。
タカヤマでは、グリストラップ清掃から吸着マットの処理アドバイスまで一貫したサポートが可能です。店舗の規模や使用状況に応じて最適な清掃計画をご提案します。
油吸着シートは手軽で導入しやすく、グリストラップの清掃負担を軽減してくれる心強い味方です。
しかし、使用方法を誤ればコスト増につながる可能性もあるため注意が必要です。日々の管理は吸着シートで効率化しつつ、プロによる定期清掃も併せて実施することで、トラブルのない衛生管理を実現しましょう。
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