
グリストラップの詰まりは、飲食店の厨房で起こりやすいトラブルのひとつです。
厨房内に突然水があふれて営業に支障が出るケースも少なくありません。
この記事では、グリストラップの詰まりとは何かを丁寧に解説し、
その原因や水が溢れる仕組み、応急処置や再発を防ぐ方法までをわかりやすくご紹介。
気になる業者への依頼についても解説します。
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1.グリストラップの詰まりとは?水が溢れるメカニズムを解説
1-1. “グリストラップが詰まる”とはどういう状況?
「グリストラップの詰まり」は、飲食店の厨房でよく発生する事象です。
その“詰まり”が具体的に何を指すのかを正確に理解している方は意外と少ないかもしれません。
グリストラップとは、厨房の排水から油脂分や食品残渣を分離し、下水に流さないようにするための装置です。
この中に油や食品残渣が多量に溜まると、排水がスムーズに流れなくなる要因となり、“詰まり”の症状が現れます。
ただし、この「詰まり」はグリストラップ本体に限らず、グリストラップ前後の排水管の中で起きていることも少なくありません。
グリストラップについては、こちらの記事で詳しくまとめています。
あわせてご一読ください。
1-2.詰まりの原因は、実は「排水管」にある?
実際には、グリストラップ自体に問題がなくても、後方の排水管(下流側)が詰まっていることで水が逆流し、
「グリストラップが詰まった」と誤認されるケースも多くあります。
排水管内で油が固まり、内部にこびりついた状態になると、排水の通り道が狭くなり、水が流れづらくなってしまいます。
この状態では、排水の行き場がなくなり、手前のグリストラップや排水溝に逆流してくることになります。
見た目にはグリストラップから溢れているため、原因がそこにあるように感じられますが、根本的な原因は排水管の中にあるのです。
1-3.グリストラップ・排水溝・シンク…水が溢れる場所で変わる原因箇所
排水がどこから溢れてくるかによって、詰まりの位置をある程度推測することも可能です。
たとえば、グリストラップの蓋から水があふれている場合は、
グリストラップの後ろ(下流側)の排水管が詰まっていることが多くあります。
同様に、シンクの水が流れずに溜まる場合は、シンクとグリストラップの間にある排水管の詰まりが疑われます。
上流・下流のどこで水が止まっているのかを確認することで、原因箇所を絞り込む手がかりになります。
2.グリストラップ詰まりの主な原因とは?
2-1.カゴ(バスケット)の目詰まりによる一次トラブル
グリストラップの一槽目には、ゴミ受け用のバスケット(カゴ)が設置されています。
ここには、シンクから流れてきた食品残渣が溜まるため、
定期的に取り除かなければすぐに目詰まりを起こしてしまいます。
このカゴが詰まると、水がスムーズに次の槽へ流れず、
グリストラップの蓋から溢れたり、上流の排水溝に逆流したりする原因になります。
これは「グリストラップ詰まり」の中でも、もっともわかりやすく、日常的に起こりやすいトラブルです。
2-2.グリストラップ清掃だけでは防げない、排水管内の油固着
グリストラップを定期的に清掃していても、
その前後にある排水管の内側には、少しずつ油脂や汚れが付着していきます。
これが長期間蓄積されることで、配管内の通水スペースが狭くなり、水の流れが悪化。
やがて詰まりとなって、水が逆流することがあります。
こうした排水管内部の油固着は、見えない・触れられない場所にあるため、
グリストラップだけを清掃していても除去できません。
詰まりを根本から防ぐためには、排水管自体の定期洗浄が欠かせません。
2-3.休業明けに急に溢れる原因は“動かなかった油”
「営業を再開したら、突然グリストラップから水が溢れた」というケースも少なくありません。
その原因の多くは、休業中に排水が流れなかったことで、配管内の油が固まってしまったことにあります。
普段は水の流れとともに流動していた油が、長期間動かないことで冷えて硬化し、管内に貼りつくように蓄積。
営業再開とともに排水量が一気に増えると、その油の塊が詰まりとなって、急な逆流を引き起こすのです。
このように、「グリストラップ詰まり」の原因は本体の汚れだけでなく、
前後の排水環境全体に目を向けることが大切です。
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3.グリストラップ詰まりの応急処置と避けたいNG対応
3-1.応急処置のポイント:まずはできることから1つずつ試す
グリストラップや排水口から水があふれてしまったとき、すぐに原因を特定するのは難しいものです。
そんなときは、一つずつ手順を試してみることが、もっとも現実的で安全な応急処置の方法です。
①バスケット(カゴ)を確認・清掃
まずはグリストラップの一槽目にあるバスケットを取り出し、中にゴミや汚れが溜まっていないかを確認しましょう。
ここが詰まっているだけで水の流れが止まっているケースも少なくありません。
②シンクから温水・洗浄剤をゆっくり注ぐ
油脂が固まって排水の通りを悪くしている場合、シ
ンクから温水や市販のパイプ洗浄剤を少しずつ流すことで一時的に流れが改善されることがあります。
ただし、急に大量の湯を流すと逆流リスクもあるため、少しずつが基本です。
③床の排水溝の中もチェック
厨房床の排水溝の中にもゴミや油が塊となって溜まっていることがあります。
詰まりの前兆となり得ますので、すぐに取り除きましょう。
このように、順を追ってできる範囲から確認・対処することが、最も現場向きの応急対応といえます。
3-2.無理な対処が逆効果になるケースも
応急処置としてできる範囲の確認・清掃を行っても、状況が改善しない場合や、
詰まりの原因が見えないところにある場合は、無理に解消しようとせず、慎重に対応することが大切です。
たとえば、バケツで大量の水を一気に流し込んだり、排水管内部を棒やパイプなどで強引に突いたりする行為は、
かえって詰まりを奥に押し込んでしまう原因になりかねません。
これにより、部分的だった詰まりが完全閉塞へと悪化することもあります。
応急処置で一時的に流れが戻っても、根本原因が解消されていなければ、すぐに再発してしまう可能性が高くなります。
そうしたときは、早めに専門業者に相談することが、結果的にコストや手間の削減につながります。
4.グリストラップ詰まりを繰り返さないために。排水管清掃の重要性
4-1.毎日グリストラップ清掃しても詰まるのはなぜ?
「グリストラップは毎日清掃しているのに、なぜか詰まってしまう」という声も、飲食店の現場でよく聞かれます。
その原因は先述の通り、グリストラップ本体ではなく、排水管内部にあることが少なくありません。
グリストラップ内の油や食品残渣を定期的に除去していても、
前後にある排水管の内壁には、油や汚れが少しずつ付着しています。
目に見えない場所だけに、汚れが蓄積していることに気づきにくく、
気づいたときには水がほとんど流れなくなっていたというケースも多いのです。
グリストラップの日頃の清掃については、こちらの記事でまとめています。
あわせて、ご一読ください。
4-2.詰まりの改善・予防に「高圧洗浄×トーラーによる徹底洗浄」を
排水管内の汚れを根本から除去するには、
専用の高圧洗浄機やトーラーと呼ばれる管内清掃機器を使用する必要があります。
高圧洗浄は水圧で、トーラーはワイヤーで汚れや塊を取る役目を果たしてくれます。
これらの機器はプロ専用であり、作業にも専門的な知識と経験が求められます。
業者に依頼して定期的に排水管清掃を行うことが、詰まりの予防には最も効果的です。
グリストラップ本体の清掃に加え、
「排水管まで含めた一体の衛生管理」こそが、詰まりを繰り返さないためのカギとなります。
5.グリストラップ詰まりも排水管トラブルも、タカヤマなら一括対応
グリストラップの詰まりや排水の逆流は“厨房衛生管理”の喫緊の課題です。
タカヤマでは、グリストラップ本体はもちろん、前後の排水管や排水溝の清掃まで一括で対応可能。
清掃と同時に状況点検も行うため、トラブルの早期発見にもつながります。
また、清掃内容を報告書にまとめて提出するため、本部での衛生管理や業務チェックもスムーズ。
全国対応で、複数店舗の一括管理にも柔軟に対応いたします。
「どこが詰まっているのか分からない」
そんな時も、タカヤマなら状況確認から対応まで一括サポートが可能です。
まずはお気軽にご相談ください。
タカヤマのグリストラップ清掃管理サポート・公式ページはコチラ
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