排水処理の“心臓部”とも言われる曝気槽。
その役割や仕組みを正しく理解することは、施設全体の安定稼働に直結します。本記事では、曝気の基本から曝気槽の構造、周辺機器、異常時の兆候や対応策まで、わかりやすく解説。
トラブルを未然に防ぐために、まずは基礎知識から身につけていきましょう。

曝気槽とは?まずは仕組みを解説

そもそも曝気(ばっ気)って何?

曝気とは、水中に空気(酸素)を送り込む工程のことを指します。
排水処理施設においては排水中の有機物を微生物の力で分解させる“生物処理”の一環であり、この微生物の活動を支えるために酸素を供給するのが曝気の目的です。
魚の水槽でもエアレーションするように、適切に空気を送り込むことで水中の微生物が活性化し、適切な排水処理が可能となります。

曝気槽の仕組みを紹介

曝気槽は、排水処理施設において微生物による浄化処理を行う要となる設備です。
槽の底には【曝気管(散気管)】が設置されており、ブロワー(送風機)から送られてきた空気を供給します。
曝気管は肋骨のように水槽底一面に配置され、微生物の呼吸を支えます。

曝気槽は周辺設備も重要!

大型の曝気槽では、曝気管に加えて”攪拌機”(ミキサー)が設置されることもあります。
槽内の排水が滞留してしまうと一部で汚泥が腐敗してしまうため、槽全体を均等に循環させる装置です。

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曝気槽が排水処理施設の要と言われるのはなぜ?

曝気槽の正常稼働=排水処理

排水処理(微生物処理)において最も重要な浄化効率は、曝気槽で行われる微生物の働きにかかっています。
つまり曝気槽の運転状態がそのまま処理能力に直結します。例えばブロワーの送風量が足りなかったり、曝気管が詰まったりすると、微生物の呼吸がうまくいかず、分解が進まなくなります。
こうした状況が続くと、排水が処理しきれず、基準値を超える汚濁水が施設外に流出する恐れもあります。
また、夏場は排水の温度が上がることで微生物の活動が鈍ることもあります(いわば“熱中症”のような状態)。
水温が39℃を上回る状態は危険であり、曝気槽の温度管理も重要な運転管理のひとつです。

曝気槽に異常が起きるとどうなる?

曝気槽に異常が起きると、排水の色が通常の茶褐色から真っ黒になったり、水槽が泡だらけになったりと目に見える変化が現れます。これは、微生物が死滅したり、包線菌などが異常繁殖したりした際のサインです。
さらに、曝気槽の後に位置する沈殿槽に影響が出ることもあります。
通常、沈殿槽では処理を終えた微生物(活性汚泥)が沈降しますが、曝気槽の不調によって微生物が沈まず、沈降分離ができなくなるケースもあります。

曝気槽への理解が排水処理施設を守る

異変を察知したら迷わず専門業者へ

曝気槽のトラブル対応は専門的な知識と技術を要します。異常を察知した段階で、速やかに専門業者へ連絡する必要があります。
タカヤマでは、曝気槽の清掃から設備補修、シーディング(微生物の再投入)まで一貫対応が可能です。
特に、微生物が死滅してしまった際や、排水処理機能が停止してしまった時には水抜き清掃が必要です。曝気槽の清掃は義務付けられていないものの、トラブル前からこうした緊急時に備えた体制づくりをすることが、排水処理施設の安定稼働には欠かせません。
曝気槽は排水処理施設における心臓部とも言える存在です。
空気供給、攪拌、温度・流量の管理と、あらゆる要素が微生物の働きを左右し、その結果が施設全体の処理能力に直結します。
日常点検の徹底と異常時に迅速に専門業者へ連絡できる体制を整え、曝気槽についての理解を深めることが、排水処理施設全体を安定稼働に導きます。

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