
「最近、排水の流れが悪い」「汚水槽の警報がよく鳴る」
―その原因、もしかすると汚水槽ポンプにあるかもしれません。
商業施設や工場などの排水設備では、
見えない場所で働く「汚水槽ポンプ」が、日々の排水を支えています。
しかしこのポンプ、故障や経年劣化に気づきにくく、
放置すれば施設全体の排水機能に影響を及ぼしてしまうことも。
本記事では、汚水槽ポンプの基本的な仕組みから、
故障時の症状、交換のタイミングや流れまでをわかりやすく解説します。
「いつか壊れる」ではなく、「壊れる前に交換する」ための
ポイントを押さえておきましょう。
Menu
1.汚水槽ポンプの役割と仕組みをやさしく解説
1-1.汚水槽ポンプとは?どんな設備なのか
汚水槽ポンプとは、汚水槽に溜まった排水(主にトイレ排水)を
下水道や処理場へ送り出す装置のことです。
汚水槽はビルや商業施設の地下に設置されていることが多く、
重力だけでは排水を自然に排出できないケースが少なくありません。
そこで活躍するのが、このポンプです。
汚水槽に一定量の排水がたまると、ポンプが自動で起動し、
汚水をくみ上げて排出する仕組みになっています。
1-2.汚水槽ポンプの仕組み|どうやって動いているのか
汚水槽ポンプは、以下のような流れで動作しています。
1.フロートスイッチ(水位センサー)が汚水の水位を検知
2.水位が設定値に達すると、ポンプが自動で起動
3.モーターが回転し、羽根車(インペラー)が汚水を圧送
4.汚水は排水管を通って、下水本管へと流れていく
このように、自動で汚水を排出できるシステムによって、
施設内の排水が常にスムーズに処理されるようになっています。
1-3.汚水槽ポンプはなぜ2台?交互運転で安定稼働を実現
多くの施設では、汚水槽ポンプを2台設置するのが基本です。
これは「交互運転」と呼ばれる仕組みで、次のようなメリットがあります。
・常に片方のポンプが休むことで、機器の劣化を防ぎ長寿命化できる
・万が一の故障時には、もう1台がすぐにバックアップとして稼働
・水位や使用頻度に応じて、同時運転(並列稼働)にも対応可能
交互運転は、設備の安定稼働と非常時の備えという2つの目的を兼ね備えた合理的な運転方式なのです。
2.汚水槽ポンプの故障に注意|よくある症状と対処法
2-1.汚水槽ポンプの故障サイン|異音・排水不良・警報など
汚水槽ポンプに故障が発生すると、次のような症状が現れることがあります。
・ポンプから異音がする(ガラガラ・ブーンなど)
・排水のスピードが遅い、または排水されない
・警報ブザーが鳴る、水位異常を知らせる
・電源ブレーカーが落ちる(漏電など)
・槽内から悪臭がする、溢れそうになっている
こうしたサインに気づいたら、ポンプの故障を疑って早めに対応することが重要です。
2-2.汚水槽ポンプが止まるとどうなる?施設への影響
万が一、ポンプが故障して排水できなくなると、汚水が槽内にたまり続け、最終的には溢れてしまう危険性があります。
・トイレの排水が逆流・使用不可に
・飲食店や商業施設では営業停止につながることも
・悪臭や衛生被害、近隣からのクレームの原因にも
施設運営にとっては大きな損害になるため、異常を感じたらすぐに専門業者へ連絡することが大切です。
汚水槽ポンプがおかしい!?緊急の場合はこちら
3.汚水槽ポンプの交換時期と交換手順をわかりやすく解説
3-1.汚水槽ポンプの交換タイミング|寿命は5~10年が目安
汚水槽ポンプの寿命は、使用状況や機種によって異なりますが、一般的には5〜10年程度が交換の目安とされています。
以下のような場合は、交換を検討すべきです。
・購入から10年以上経過している
・同じトラブルが何度も起きる
・部品供給が終了している
不具合を起こしてからの対応では遅いため、計画的な交換(予防保全)が重要です。
3-2.汚水槽ポンプの交換手順|現場での作業の流れ
汚水槽ポンプの交換は、通常半日ほどで完了します。おおまかな流れは以下の通りです。
1.槽内の汚水・汚泥のくみ取り(バキューム処理)
2.電源遮断・安全確認
3.既設ポンプと配管の撤去
4.新しいポンプ・バルブ・逆止弁などの設置
5.電気配線の接続・防水処理
6.試運転と動作確認(水位センサーも含む)
なお、交換の際には必ず「汚水槽の清掃」も一緒に行うのが基本です。
ポンプを取り外すためには槽内を空にする必要があり、
汚泥や堆積物が残っていると新ポンプにも悪影響を与えるためです。
定期清掃のタイミングとあわせて交換を実施することで、
コスト・手間を最小限に抑えることができます。
4.汚水槽ポンプの交換は専門業者に任せるのが安心
ポンプ交換は、電気工事・配管工事・高所作業・ガス安全管理などを含むため、専門的な知識と資格が必要です。
専門業者に任せることで…
・現場に最適なポンプを選定・手配してくれる
・必要な部材・工事を一括対応
・交換後の不具合にもすぐ対応可能
・法令に則った安全施工と報告が徹底される
・必要に応じて、フロートスイッチやマンホールの交換にも対応できる
「そろそろ交換かな…?」と迷ったら、
まずは現地調査と見積もりを依頼するところから始めてみましょう。
汚水槽の基礎知識や清掃について、こちらの記事で詳しく解説しています。
あわせてご一読ください。
タカヤマでは、排水処理に関わる総合的なメンテナンスサービスを展開。公式ページはこちら
- タカヤマ【排水処理施設・設備】
- メンテナンス&エンジニアリング
