
工場や厨房から排出される排水を最初に受け入れる「原水槽」。
排水処理施設の安定稼働に欠かせない設備ですが、定期的な清掃やメンテナンスを怠ると、悪臭の発生や設備の故障につながります。本記事では、原水槽の役割や適切な管理方法、故障の原因について詳しく解説します。専門業者によるメンテナンスの重要性にも触れ、原水槽を適切に維持管理するためのポイントをご紹介します。
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1. 原水槽の基礎知識と必要性
原水槽とは、除害施設(排水処理施設)の一番最初に設置される水槽であり、
工場や厨房などから排出される排水を最初に受け入れる役割を担っています。
排水の流量は常に一定ではなく、時間帯や施設の稼働状況によって変動するため、この変動を無くすために設置されているのが原水槽です。排水処理施設全体の安定した稼働を支える重要な設備と言えます。
また、原水槽は油分やゴミなどの不要な成分を沈殿・分離する機能を持っており、次の処理工程である曝気槽や沈殿槽の負担を軽減します。これにより、排水処理の効率が向上し、最終的な浄化処理の精度を高めることが可能です。
2. 原水槽の役割と排水処理施設における位置付け
2-1. 原水槽の役割とは?
排水処理において最も重要な工程は、曝気槽で行われる微生物による有機物の分解と、沈殿槽で行われる分解された有機物や微生物の死骸を沈降・分離することです。これらの処理を安定させるためには、排水の流入量を一定に保つことが不可欠です。
原水槽は、排水の流量調整機能を持つことで、曝気槽への過負荷を防ぎ、微生物の処理能力を安定させます。
さらに、余計な油分を除去し、水温の調整を行うことで、次の処理工程に適した状態へと整えます。
2-2. 原水槽はどこに設置されている?
原水槽は、排水処理施設の最前線に設置されており、工場や商業施設では以下のような場所に設置されることが一般的です。
・駐車場の地下:排水施設を地下に配置することで、スペースの有効活用が可能。
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・地下階層:商業施設では、一般用駐車場のさらに下の階層に配置されることが多い。
2-3. 原水槽の適切な容量について
原水槽の容量は、排水の種類や流量に応じて決定されます。
例えば、1日あたり1000立方メートルの排水が発生する工場の場合、排水に含まれる油分やpH値などを考慮し、適切な容量が計算されます。
維持管理においては、以下のポイントが重要です。
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・排水量の変動に応じた適切な容量の確保
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・工場の生産品変更や事業所の入れ替わりによる影響の確認
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・施設の老朽化による機能低下の定期チェック
原水槽が適切な容量を満たしていない場合、排水が溢れ、周囲の環境に悪影響を与える可能性があります。
そのため、定期的な点検と維持管理が求められます。
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3. 原水槽が故障する原因とは?
3-1. 実は除害施設で一番壊れやすい
原水槽は、排水処理施設の中でも特に劣化が進みやすい設備のひとつです。その理由として以下が挙げられます。
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・排水中の化学物質の影響:油分や酸性・アルカリ性の強い排水による腐食
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・汚泥の蓄積:固形物が沈殿し、配管や壁面に負荷を与える
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・経年劣化:設備の使用年数が長くなるとコンクリートや防水材の劣化が進む
これらの要因により、原水槽の壁面がひび割れたり、底部に汚泥が蓄積することで処理能力が低下することがあります。
3-2. 定期的な防食塗装が重要
原水槽の寿命を延ばし、安定した機能を維持するためには、防食塗装が不可欠です。防食塗装には以下のメリットがあります。
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・腐食の防止:化学物質や微生物による劣化を軽減
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・耐久性の向上:コンクリートや金属部分の劣化を抑制
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・清掃のしやすさ:汚れが付着しにくくなり、メンテナンスが容易になる
防食塗装は、定期的に実施することで原水槽の長期的な使用を可能にし、施設全体のコスト削減にもつながります。
4. 除害施設のお困りごとは専門業者へ
原水槽の管理や修理には専門的な知識が必要です。
タカヤマでは、以下のようなトータルサービスを提供し、お客様の原水槽を最適な状態に保ちます。
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・清掃・メンテナンス:定期的な点検・清掃でトラブルを未然に防ぐ
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・防食塗装工事:劣化を防ぎ、設備の耐久性を向上させる
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・補修・入替工事:老朽化した設備の修理や交換を実施
原水槽の状態が気になる方や、定期メンテナンスを検討されている方は、ぜひ専門業者に相談し、安心・安全な排水処理を実現しましょう。
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