
排水処理施設において、心臓部ともいえる「曝気(ばっ気)槽」。
曝気槽に違和感を感じる時は、見過ごしてはいけないトラブルの兆候かもしれません。
本記事では、曝気槽に関連する設備の劣化や故障、特に曝気管(散気管)や攪拌機のトラブルによって引き起こされる影響と、適切な対処法について解説します。
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曝気槽に違和感を感じたら要注意
曝気槽の異変を放置してはいけない理由
曝気槽は、排水中の有機物を微生物の働きによって分解するため、排水処理施設の要と言えます。
曝気槽に異常が起きると処理能力が一気に低下し、施設全体の機能に支障をきたすため、注意が必要です。
曝気槽がうまく機能していないと、目に見える異変が現れます。異変を感じた場合、曝気槽の内部で微生物が適切に働いていないサインの可能性が高いです。
【曝気槽とは?】についてはこちらの記事をご覧ください。
目視でわかる!曝気槽異常のサインとは
異常に気づくポイントとしては、以下のような現象が挙げられます。
これらの現象を日常的に観察しているのは、施設管理者の方々です。
些細な違和感こそが、トラブルの初期サインである可能性があります。
放置厳禁!異常の原因は曝気槽の周辺設備にあり
周辺設備とは?
曝気槽に異常が生じた場合、その要因の多くは曝気槽の周辺設備が関係していることがほとんどです。
曝気槽の稼働を支える設備はさまざまですが、代表的なものとして以下があります。
これらの設備のどれかひとつでも不具合があると、曝気槽全体の処理能力に影響が出てしまいます。
曝気管(散気管)の役割と劣化のリスク
曝気管は、水槽の底部に肋骨のように設置されており、ブロワーから送られる空気を細かい泡として槽内に放出する重要なパーツです。
ところが、長年の使用によって以下のような劣化が起きます。
空気がうまく出なくなれば曝気そのものが不十分になり、微生物が窒息状態に陥るため、排水処理に深刻な影響を及ぼします。
攪拌機の役割とトラブルの影響
攪拌機は、曝気槽内の水を絶えずかき混ぜる役割を担います。これにより、酸素や微生物、処理対象の排水が均一に行き渡る仕組みです。
そのため、攪拌機にトラブルが起こると以下のような事態に陥ります。
攪拌機の故障は、機械の異音や攪拌不足による水質の変化で発見されるケースが多く、早期対応が求められます。
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故障の要因とは?
故障の大半は経年劣化
曝気槽に関わる設備の多くは常に水に接している上、微細な振動や圧力変化にさらされています。
そのため、故障の要因はほとんどが経年劣化によるトラブルです。
異変に気づいたら早急に専門業者へ!
曝気槽は、基本的に定期清掃の対象ではありません。なぜなら、内部にいる微生物を清掃によって殺してしまう可能性があるためです。
そのため、決まった清掃スケジュールではなく、機器の異変や処理能力の低下といった“兆候”を見逃さないことが肝心です。
異変が起きてしまった後は曝気槽内の清掃を行い、原因調査や修理対応が必要となります。
例えば以下のような対応が求められます
タカヤマでは、清掃から補修・再シーディングまで一貫対応が可能です。万が一の際も、ワンストップで安心のサポート体制をご用意しています。
曝気槽の不調は、早期に発見し、早期に対応することで被害を最小限に抑えられます。
たった1本の曝気管の詰まりや、攪拌機の停止が、排水処理全体の停止につながることも珍しくありません。小さな違和感を感じたら、迷わず専門業者に相談することが重要です。
排水処理の安定稼働のためにも、日々の観察と、いざというときの信頼できるパートナー選びが欠かせません。
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